Beautiful Girls

1時間SS参加作品です^^

テーマは「頂点」「Twitter」「メイド」「下着」。
「下着」をチョイスしてみました。
てゆーか百合と言っていいのかこれ…。










「真クンの下着って、シンプルだよね」
美希が唐突にそう言ったのは、地方コンサート後の着替え室でのことだった。
汗だくの衣装を脱ぎシャワーを終えて帰ろうと思った矢先だった。
真と並んで美希も一緒にシャワーを浴びていたのだ。
当然着替えも一緒である。
「ああ…そうだね。何か可愛いの選ぶの恥ずかしくってさ。ほらボクって男の子っぽいし」
真は自嘲気味に笑って見せる。
美希はじっと彼女の下着を見る。
薄いピンクのスポーツブラに、ショーツは真ん中に小さなリボンがついている。
愛らしいがどこか素っ気ない。
「ちょ、ちょっとそんなに見ないでよ。恥ずかしいなあ」
「あ、ゴメンなの」
羞恥心が湧いてきたのか、上着で身体を隠す真。
しかし目は美希の身体に向いていた。
「美希はいいよね。可愛い下着が似合って」
美希の下着はというと、上半身は大きな球を描くハーフサイズブラ。
蝶々の美しい刺繍が目を惹く。
下半身は生地の少なめのビキニショーツ
形のいい臀部が際どいラインを浮かび上がらせる。
抜群のプロポーションも相まってモデルのようだ。
真は思わずため息をついた。
そんな真を見かねて、美希は手を取った。
「ねえ真クン。この後予定ある?」
「え?特にないけど…」
「じゃあさ、一緒に下着見に行かない?美希がコーディネイトしてあげるの!」
「え、ええ?」
悪い誘いではないが真は戸惑った。
急なことだし、何より気恥ずかしさがあった。
「(そりゃあ興味はあるけど…)」
美希はダメ押しとばかりに真に詰め寄る。
「ねえ知ってる?女の子は自分の胸に合ったブラを着ないと、形が崩れるんだよ?」
「そうなの!?」
「だから、真クンも真クンにぴったりのブラを買うべきだって思うな」
「そ、そっか…」
「と言うわけで、レッツゴーなの!」
「ちょ、ちょっと美希ー!」









半ばひっぱられるようにして真が付いて来たのはデパートの下着売り場。
なるほど、ここなら種類も多いし真のサイズに合ったものも多く取りそろえているだろう。
着くなり美希はダッシュで下着探しに行ってしまった。
下着売り場をじっくり回ったことがない真はキョロキョロとあたりを見回している。
よく見るとAカップのブラでも可愛いものがたくさんある。
水玉だったり虹色だったりカラフルな色調が目につく。
もっと上、CカップやDカップになると落ち着いた色合いのものが増える。
多くには刺繍が成されており、花や鳥が白、薄紫などの素材を彩っている。
中には黒を基調とした大胆な下着もあり、真は思わず赤くなって目を逸らしてしまった。
「(いいなあ…ボクもあんな大人っぽいのを身につけたいなあ)」
黒はともかく、薄い紫や緑は憧れる。
同じ事務所のあずさや小鳥が身につけるとさぞ映えることだろう。
「あっいたいた!真クン!」
探し回っていた美希が戻ってきた。
手には何着かの下着を持っている。
見る限りは奇抜なものはなさそうで、真は密かに安堵した。
「これなんかどうかな?」
美希が示して見せたのはベージュのブラ。
スポーツタイプではなくワイヤーが入ったノーマルタイプだ。
「あ、これいいかもね。派手すぎないけど地味でもないし」
「でしょ!美希的には、胸元の飾りもいいなって思うの」
見ると、確かに胸の谷間の辺りに赤いハートの飾りが付いている。
見えないところにも可愛らしさを追求する女の子らしいデザイン。
「後ね、一緒に買うならこれかな」
もう一つとりだしたのはベージュのショーツ
どうやらブラとセットのようだ。
所々にあしらわれたレースが上品な印象を醸し出す。
「どうかな?」
「凄く可愛いよ!やっぱり美希はセンスあるなあ」
「えへへ、そう?」
嬉しそうにはにかむ美希。
「じゃあこの3つを買おうかな」
「やった!これで真クンの乙女度アップだね!」
美希も自分用の下着を何着か買い、この日のショッピングは終わった。







デパートを出ると辺りはすっかり暗く、ビルのネオンが辺りを照らしていた。
詰めてもらったピンクの袋を手に提げて2人は泊っているホテルへと足を向ける。
「今日はありがとう、美希。何かお礼しなきゃなあ」
三日月を見上げながら真が言う。
同じように月を見ていた美希は視線を真に移した。
そしてにやりと不敵に笑う。
悪いことを思いついた子どもの顔だった。
「じゃあそれを身につけるのは美希の前だけね」
「ええっ何それ」
「むー」
するとむくれた美希が真に抱きついた。
不意打ちの行動に真が大きくよろめく。
「うわっ何だよ」
「だって美希が選んだんだよー。美希だけが見る権利があるの」
「理由がおかしいよ」
2人はじゃれあいながらゆっくりと、夜の道を歩いて行った。








好きな人には美しくいてほしい
それは至極当たり前のこと










大体1時間で書きあげました。
早めに終わることが多いので珍しいかもしれません。
女性の下着について詳しく書くって、なかなか恥ずかしいですねw
ちなみに美希の「女の子は自分の胸に合ったブラを〜」の台詞は事実だったりします