一年と二人

お久しぶり(?)のひびまこです。
2が発表されてからいてもたってもいられなくて、書いてみました。
来春が楽しみですね〜。









1年という、年月。
人が変わるにはあまりにも長く、短い時間。
彼女の変化もまた大きいようで小さいものだった。




「髪」
「え?」
「真、髪伸びたよなー」
二人でくつろぐ昼下がり。
響の指が真の袖口に伸びる。
少し硬めの髪質ではあるがこうして触ってみると艶があるしきめ細かい。
「えへへ、そうかな?」
照れくさそうに笑う彼女を見て響の頬も緩む。
真はデビューが決まった時から髪を伸ばし始めた。
半年前まではベリーショートとも言えるくらいの短さだったのに、もう肩に届きそうだ。
響にしてみると真本人を好きになったので髪の長さは気にしないが
やはり変化があると新鮮だ。
「まだ伸ばすのか?」
「どうかなー。個人的には伸ばしてもいいんだけど、響はどうして欲しい?」
真がわざとらしく首を傾ける。
サラリと横髪が靡いて、流し目と共に美しさを増幅させる。
響は意図せず息を呑んでしまった。
それが分かっているのか、真はにっと歯を見せて笑う。
慌てて目を逸らした。
いつもいじめてる仕返しかなと響は考える。



「真はどんどん大人っぽくなっていくよなー」
ため息とともに、そんなことを呟く。
真は響と出逢ってからの1年でずいぶん成長した。
身長が伸びたし、体型だって女性らしくなった。
それに比べて響は身長も体型も変わりがない。
いやむしろ体型は小さくなったかもしれないというのに。
こうして隣同士座ってみても、どうしても響が少し見上げないと会話ができない。
距離が開いてしまったようでどことなく寂しくなってしまう。
「自分、おいてけぼりだ」
あはは、と笑ってみる。
「一緒だから」
隣からの声。
外見はすっかり変わったのに、変わらないハスキーボイス。
「見た目は確かに変わったし成長したかもしれないけど中身は1年前と変わってないよ
人の内面ってそんなに簡単に変わるものじゃないしね」
その言葉もやはり、彼女が成長した証しだと認めざるを得ないけど
でも、奥底は変わっていない。
響にはそう感じられる。
「ずっと響のこと好きだよ。これからもずっと」
「……」
普段は恥ずかしがり屋な真からの言葉に響の方が赤くなってしまう。
ああ、やっぱり
変わらない声
変わらない性格
変わらない笑顔
大好きな――真だ。
言葉を発する前に、嬉しくて首に抱きついた。
「ありがとー真。じゃあ、もう1年後も一緒にいてくれるか?」
「1年でいいの?」
「…何か今日はいじわるだな?」
「あはは、仕返し仕返し」







そう、1年は長くて短い時間
だからこの感情も
早々に無くなりはしないよ











久しぶりに企画ではなくて普通に書いてみようと思ったら、やはりひびまこになりましたw
2では真の変わりっぷりに本当にびっくりしました。
でも響はそんなに変わってないので、ここら辺の差をネタにしてみようかなと。
いつものテンポで書いてみました。
2には今から期待してますよ!