恋は何で出来ている?

べろm@s企画に便乗してみます。
詳しくはこちらから→http://mfg.girly.jp/beromas.html
べろって何だか魅惑的な響きですよね。
CPはひびまこですよ、ひびまこ!









恋人の言葉にボクは振り向いた。
当の恋人――響はにこにこの笑顔で立方体の箱を持っている。
そこに印刷されてる文字は
「…ポッキー?」
「そう。ポッキーゲームしよう。合コンの定番!」
「いやここ居酒屋じゃないし。二人だし」
「ほらほら、つべこべ言わずに咥えて!」
ボクたちが何故こんなバカな会話をしているのかというと
今日は二人ともがオフなので、響のマンションでゆっくり過ごそうということになった。
まあ、オフは大抵そうだから半同棲状態と言える。
テレビゲームやら色々なことをした後、暇を持て余した響が提案したのが
このポッキーゲームだ。





響はすでに片方の端を咥えてスタンバイしている。
彼女はいつもいつも、前触れなく行動をしかけるから困るのだ。
やたらウキウキしているのがより怖い。
しかしまあこうなったからにはやるしかないんだろう。
ボクも仕方なく端を口に含む。
「!!」
合図もなしにいきなり響が食べ進みだした。
カリカリと軽快な音を立てながら。
しかも物凄い早さだ。
あっという間にポッキーの長さは半分にまで縮む。
このままではキスしてしまう。
だっダメだって!!
こういうのは心の準備が!!
思わず顔を逸らしてしまい、
ポキッ
その拍子にポッキーがいとも簡単に折れた。
分裂する細い棒。
「あ」
響が声を上げる。
そして瞬時に不満そうな顔をした。
「避けるなよー」
「い、いや、だってさ」
「真は自分のこと嫌いなのか?」
「嫌いじゃないよ。好きだよ」
「じゃあ何で避けるんだよ」
「いきなりでびっくりしたんだ」
考え込むように眉間にしわを寄せる響。
何なんだろう。
少しの沈黙の後、ぽつりと呟いた。
「じゃあこれならいいか」
「…は?」
響が小悪魔的ににやっと笑う。
直感的に嫌な予感がした。
両手を身構える。
しかし響は無視してにじり寄ってきた。
目の前の彼女が近づくごとに後ずさりしてしまう。
ゆっくりと、確実にその差は縮まっていく。
「ちょ、ちょっと響…」
「今度は受けてもらうぞ」
低い声の誘惑に、身体がフリーズする。
頬に両手を添えられて
顔を近づけられて
唇を塞がれた。
「んふっ…ぅ…」
確かにこれはいきなりではないけれども…
響の優しい口づけが降り注ぐ。
角度を変えて、何度も何度も。
そしてあろうことか、舌を侵入させてきた。
「!んっ…」
電流を受けたかのようにボクの身体が痺れる。
歯列をなぞったり、頬の内側を舐めたり。
知り尽くした弱いところばかりを攻めてくる。
身体に力が入らなくて、響に支えられる形になる。
三者が見たら多分変な体勢になってるんじゃないだろうか。
そんなことを考えているうちにも、どんどん頭はぼうっとしてくる。
口内と一緒に脳もぐちゃぐちゃにかき混ぜられているみたいだ。
もう…嫌…
…ううん、嫌じゃない。
甘くて柔らかくて、溶けてしまいそうな感覚。
容赦ない刺激。
それがいつもボクを狂わせる。
響、もっとちょうだい…!
「ふぅ…ん、んん!」
いつの間にか響の首に手をまわして、引き寄せていた。
彼女は嬉しそうに抱きしめてくれる。
隙間なくくっつく互いの体。
絡み合う舌と唇。
きっとこれは、極上の幸せ。





頭の中が溶けきってしまうんじゃないかという頃
「ぷは」
響が唇を放した。
完全に脱力したボクは響にもたれかかる。
やっと十分な酸素が行き届く。
…結局何分キスしてたんだろう。
5分?いや7分くらいかも。
きっとボクの顔は火照って、情けなくなってる。
「くわっちーさびたん(ごちそうさま)」
響はまたキスをくれた。
今度は短い挨拶みたいなキス。
「…キスしたいだけじゃないか」
恥ずかしくて目を逸らす。
いや、それだけじゃない。
きっと今響を見たら、今度はボクが唇に飛びついてしまうかもしれない。
「真が可愛いのが悪いんだぞ」
「ボクのせいにするなよ」
と言いつつ、嫌な気はしない。
『可愛い』だなんて、彼女以外にはめったに言われないから。
本当はいくらでも言ってほしい。
そっと唇の輪郭をなぞる。
まだ残る感覚。
「響」
「ん?何だ?」
「好き、だよ。大好き」
それ以上言いたくなくて抱きつく。
好き。
意地悪されても好きで。
つまりそれは大好きってこと。
「くう〜っ嬉しいぞー真!!」
「わーっ!?」
いきなりカーペットに押し倒された。
そんなに感激することなのか?
そしてまた口づけされる。
この調子だと夜までじゃれあう羽目になるかも…。
もういっか。
今日は目いっぱい、響とじゃれあおう。





ボクにとっての恋は
ボクと響と、このキスの味で出来ている。












べろm@sと聞いて頑張ってみました!
しかし私にはえっちいのは無理です;
これくらいが精一杯なのですよー。
べろちゅーだから一応規定は満たしてますよね?ね?
書いてる間中結構恥ずかしかったです。。
でもたまにはイチャラブも楽しいですねw