新年のご挨拶

こんな題ですが、一応SSです。
挨拶代わりに…ということで。
ショートショートになりました。









1月1日、元旦。
真は振袖を着て事務所の近くの神社に来ていた。
大きな神社ではないが、大勢の人が初詣に訪れている。
振袖は母がレンタルしてくれたものだ。
「真も年頃なんだから、これくらい着なきゃ」とのこと。
父・真一は何か言いたげに真を見つめていたが、結局何も言わなかったのでそのまま出かけた。


前から見慣れた人影が歩いてくるのが見えた。
一見分からなかったが
「あら、真ちゃん」
三浦あずさその人である。
紫色の振袖を着て、化粧をし、髪はアップに結い上げている。
その姿は息を呑むほどの美しさだった。
街を歩いていたら8割の人が目に留めるのではないだろうか。
「あずささん、あけましておめでとうございます」
「あけましておめでとう。ふふっ」
2人はお決まりのあいさつを交わす。
「振袖とっても似合ってるわよ。可愛いわ」
「いえ、ボクなんか…あずささんの方が断然キレイですよ!」
「あら、自分を卑下しちゃダメよ〜?」
よしよしと頭を撫でるあずさ。
恥ずかしさと嬉しさで真の顔が赤くなる。


「そういえば、他の皆には会いましたか?」
「ううんまだよ。ここに来れば会えると思ったんだけど」
確かに、この神社なら知り合いが1人はいてもいいような気がする。
真には思い当たる節があった。
左腕のピンクの時計を見る。
「多分時間が遅いからじゃないですか?皆もう初詣終わらせてるのかも」
時計の針は午後2時を回っていた。
真は午前中に行く予定だったのだが初めての振袖に時間を取られてしまったので、この時間になった。
「なるほど、そうかもしれないわね〜。でも私9時には家を出たはずなのだけど…?」
「それはきっとあずささんが迷ったからですよ…」
むしろここまでたどり着いただけで凄い。


でも新年に初めて会えたのが、あずさでよかった気がする。
一緒にいて安心できるこの人と
今年もきっと一緒。
「あずささん、事務所に行きましょうよ。事務所に皆集まってる気がします」
「そうね、行きましょうか」
手を握って歩き出す。







2010年が皆さんにとって幸せな一年でありますように。
A HAPPY NEW YEAR!!









適当話ですいません。
今年をいい一年にしましょう!