素敵な世界と素敵なあなた

久々にあずまこをば。
シリアスかもしれません。







真は最近思う。
あずさと自分はつりあっているのだろうか、と。
二人は付き合って3ヶ月ほどになる。
映画にも買い物にも行ったし、一度だけだがあずさの部屋も訪れた。
まだキス止まりだが恋人同士という点ではクリアしているはずだ。多分。
それでも不安なのだ。
あずさは16歳の真の4歳上。
精神年齢はもっと上だろう。
もしかしたら真とは価値観が異なっているかもしれない。
もしそれがすれ違いを生んだら?
…別れてしまうかも。
マイナス思考すぎなのは分かっている。
でもどうしても考えてしまうのだ。


怯えている。
あずさが自分から遠ざかってしまうことに。
この幸せが手からすり抜けていくことに。







「…あずささん。あずささんは、ボクのこと、好きですか?」
ある日、真は耐えかねて聞いてみた。
声が震えていたかもしれない。
あずさは少し驚いたようだが、すぐに笑って答えた。
「ええ、大好きよ」
だが真はすぐには信用できなかった。
そんな自分が憎い。
「ごめんなさい。信じられないんです」
顔を見るのが辛くて、俯いてしまう。
「あずささんはボクでいいんですか?ボクまだ子どもだし、足引っ張っちゃいますよ」
自分自身に毒を吐いている気分になった。
真は昔からここぞという時に尻込みしてしまうのだ。
そのせいで後悔したこともたくさんある。
「真ちゃん」
いつものように、でもいつもよりずっと優しく、あずさの声がした。
恐る恐る顔を上げる。
「…怖いのね?」
ああ、やはり見透かされていた。
安心したような、悲しいような。
「だって…もしかしたら、世界観とか違ってたら、その内あずささんがボクのこと見てくれなくなるかもって思って…」
すっとあずさの手が真の頬に触れた。
あまりにも自然に。
「確かに私たちは年齢差があるわ。見えている世界も違うかもしれない。でもそれって、凄く素敵なことだと思わない?」
「…?」
あずさの言葉の意味を分かりかねて、真は小さく頭を傾げる。
「だって世界が違うってことは、私は真ちゃんにその世界を見せてあげられるし、真ちゃんからその世界を見せてもらうこともできるのよ。二人で二つの世界を共有できるの」
「あずささん…」
真はあずさの胸にもたれかかった。
一生かかってもこの人には敵わない。
今回はどうやら真の杞憂で終わりそうだ。
「ずるいですね、あずささん」
「ええ〜?どうして?」
情けなく眉を下げるあずさを見て、真はようやく笑った。






ずっとずっと、二人でいたい
願うだけならタダでしょう?









一番好きな組み合わせなのに書いていなかったなと思い、勢いで書いてみました。
真って普段強気ですけどいざという時弱気になりますよね。
女の子の部分を見せます。
そこが可愛いと言えば可愛いのですがw
それが恋愛になればさらに度が強くなるのかなと想像してみました。
単にヘタレてるだけかも?