寄り添って、遠くで

ミッシングムーンから、みきあずです。
何となくいい感じに見えたのでw
百合というよりは美希の片思いっぽいかもです。







美希が765プロに戻ってきて、1週間が経った。
事務所の皆に迷惑をかけたことをちゃんと謝って、また一人のアイドル候補生としてスタートを切った。
今は事務所の雑用をしながらデビューを待っている。
そんな美希をあずさは母か姉のように見守り、励ましている。


「美希ちゃん、こんなところにいたのね」
声をかけると、美希がこちらを向いた。
風があずさの黒髪をさらっていく。
ここは765プロの屋上。
美希の姿が見えないと社長が慌てていたので、あずさが探すことになった。
あちこち探し回っても見えないので駄目もとで屋上に上がってみたら
コンクリートの床に座り込んでぼんやりしていた美希を見つけたのだ。
「あ、あずさ!」
美希は嬉しそうに飛び起き、跳ねるようにあずさの前に歩いてきた。
「社長さんが探してたわよ。掃除がまだ出来てないって」
「あ、そうか。すっかり忘れてたの」
あっけらかんとそう言う美希に苦笑する。
マイペースなのは彼女の長所であり短所でもある。
「美希ちゃん、ここで何をしてたの?」
そう尋ねると美希は首を傾げた。
「う〜ん何してたんだろ?ただ空を眺めてただけかも」
顔を上げ、目を細める。
それから何かを思いついたようにぱっと明るくなった。
「そうだ!ねえねえあずさ、ミキと一緒にもうちょっとここにいて?」
「ええ〜?でも私は、美希ちゃんを探してくるように言われてて〜」
「お願いなの。ちょっとだけでいいから」
美希の懇願をお人よしのあずさが断れるはずもなく、結局、美希と一緒に床に座り込んだ。


「あずさ、ありがとうなの」
唐突に美希が口を開いた。
「どうしたの?」
「IUでミキに勝ってくれて。そうじゃなきゃミキ、あずさとケンカしたままだったし、765プロに戻ってこれなかったと思うの」
顔から笑みがこぼれる。
言いようがないほど魅力的で、男性ならば即座にノックアウトされるであろうとびっきりの笑顔。
「みんなみんな、あずさのおかげ」
「そんなことないわ。美希ちゃんの気持ち、私は分かってなかったし辛い思いもさせたと思う
プロデューサーさんのこと好きだっていう思いは同じだったのに」
そう、美希もプロデューサーのことが好きだ。
なのにその気持ちに気づかずに傷つけてしまった。
隣に並んで座っていた美希が顔を向ける。
そしてにやりと笑った。
何かを企んでいる笑みだ。
「あずさ、ちょっと誤解してるの」
「え?」
美希は少し身体を傾けるとあずさに顔を近付ける。
そのまま頬にキスを落とした。
それに気づくと、あずさは顔を赤くして頬を手で押さえた。
「み、美希ちゃん?」
ほんの一瞬のことではあったがまだ感触が残っている。
それを見て美希がにっこりと、でも少し照れくさそうに笑った。
「確かにね、最初のうちはプロデューサーのことが好きだったよ。
でも、あずさと競争してるうちに…好きになっちゃったの」
あずさの腕にぎゅっと抱きつく。
腕から温もりが伝わってきて、そっと目を閉じた。
「あずさがプロデューサー好きなのは分かってるの。でもね…ミキ、このまま…好きでいていいかな」
あずさはどうしようか迷った後、美希の頭にそっと手を置いた。




2人で、空を雲が泳いでいるのを見ていた。










例の如く変なオチかたですね(爆
またマイナーなCPに手を出してしまいました。
月の二人の掛け合いが楽しかったのでつい。
SPのストーリー上あずさ←美希チックです。
さすがにP×あずささんは外せませんね。
それが分かってるから美希も遠くで眺めてるだけでいいと思うのかもしれません。
あくまで私の妄想ですがw